それがぼくには楽しかったから(原著:JUST FOR FUN)の感想
内容を列挙していこう。
これらの内容がLinus自身のもつ考え方(哲学)に基づいて、
くだけた文章で書かれている。
オープンソースがブームだった頃に出版されたこともあって、
結構なページ数がオープンソースの考え方に割かれている。
また、その内容もリチャード・ストールマン(emacsを作った人)の
オープンソース思想と同じものではなく、
むしろその内容(とストールマンに)批判を加えながら語られている。
Linuxだけではなく、様々な題材を通じて彼の考え方が伝わってくる本だった。
彼と同じ生き方をできる人はいないだろうが、
考え方は参考になるかもしれない。
内容が気にいったなら、NHKの新・電子立国も合わせて見ることをお勧めする。本もでてるし、映像もどこかに上がってるだろう(私はニコニコ動画で見た覚えがある)。
さて、終わりの方でLinusは予言をしていた。
OSについて議論しているような時代じゃなくなる。
ユーザーの望みが技術を促進するのだから、
そんな複雑なものにユーザーは触れたくないと。
これについて2008年の今、考察してみよう。
LinuxはデスクトップOSとして簡単に使えるものになった。
MacOSXも支持者を増やしている。
Windowsもそれなりにやっている(進化しているかはわからない)。
デスクトップOSとしてはどれも2000年当時と比べて格段に使いやすくなっている。
現在私は3つとも使っているがネットを見てメールやレポートを書く分にはさほど問題はない。
複雑な部分を隠しながら技術は進歩する、
といった意味ではスクリプト言語なんかがいい例なのかな?
(中の人の間では、VMやGCなんかが最近よく話題にあがるけれども)
デスクトップOSの進化もいいところまで来たから、
次は更なる技術革新がくるところかもしれないね。
Chromeがリリースされたときは、
これで時代はWebに以降するのか?
なんてちょっとだけ想像したけれども、
中身はV8エンジンという、
SmalltalkのGCが乗っかった
JITコンパイラってことで
革新的な進化はないのかなと。
でも、Googleオフィスがそこそこ動いたのは楽しかった。
人間が想像するものが技術の革新によって生まれるなら、
高解像度ディスプレイがついた携帯で
使いやすいインタフェースの載ったWebOSが
快適に動く時代が10年以内には存在してるんだろうね。
その頃には今ほど情報系の技術屋さんの求人が無くなってて、
路頭に迷ってるかもしれんね。
想像力のある技術者になりたいなぁと改めて思う、
宿題サボり中の自分。